最高級の召使
「要之助が言ってた。
倉之助をローサーに返せって。」


「あいつは・・・」


「ね…ローサさんはあなたに会いにきたんでしょ?
昔の恋人なんでしょう?
忘れられなくて
ここに来たのね?」


私は堪えられなくなって
倉之助の胸に飛び込んだ


「あなたは素敵だもん。
忘れられるわけがないわ・・・
私、すごく嫉妬してる。
自分でも抑えきれない……
困ってる顔の倉之助が……
それでも好き……
全部、私だけのものにしたい」


倉之助が優しく髪を撫ぜた。



「あんまり正直に言うと
ずるい大人に変身しますよ。
私は変身したくない
自分を失いたくない。
抱えているものが多すぎて……」


私は唇をふさいだ。


倉之助が顔を離して
私を見つめた。


「ここまででおゆるしください。
キスだけなら…
なんぼでもします。
だからそれ以上は求めないでください。
それが二人のためです。」
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