最高級の召使
「どんなに想ってもさ
かなわないことってあるんだ。
俺は、子供だから・・・・・・。
ローサは、俺を子供としか見てない。
俺がもう少し早く生まれていたら
兄貴みたいにハッキリしない態度で
ローサを傷つけない。」



「そうね、私たちは子供だもんね。
あの人たちから見れば・・・・
どんなに背伸びしたって…。」



「おまえも悪いこと言わないからさ。
俺のように見守るのも愛だ。」



「そう?それでいいのかな。」



「ローサが兄貴を愛してる。
あの美しい瞳には兄貴しかいないんだ。
俺は、愛する男の可愛い弟でしかないんだ。
何もしてやれないもんな。
病気で苦しんでても
兄貴が抱きしめれば
おだやかになる……
泣き叫んでも兄貴が名前を呼ぶと
笑顔で答える。
ローサの願は一つだけ……
兄貴と結婚すること
それだけのために追いかけてきた。」




「病気ってなおったんじゃないの?」



要之助がうつむいた。
< 192 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop