最高級の召使
「何も聞いてないんだけど。」

茫然として倉之介を見つめる。


「急なことで申し訳ありません。」



「どうして私に直接言わないの?」


逃げるの?倉之介?




「雇い主は旦那様ですから。」




私はまっすぐに倉之介を見た。



「おまえももうひとりでいろんなことが
できる年だから専属はいらないだろう?」



「そうね、花嫁修業も兼ねて
これからは自分のことは自分で
やるようにしなくちゃね。
楓にはパパみたいな素敵な旦那様を
今探しているところよ。」


母親がお気楽に言った。



「いい!!
自分の結婚する人は
絶対自分の愛した人とするから!!」
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