最高級の召使
自分を好きになる方法
じぃがまだそばにいるのが
私と倉之助を少し
近くに感じる最後の砦。



きっとじぃを気にかけて
倉之助がここに来る
そう信じて
あれから毎日私は通った。


介護士にアドレスを渡して
来たらすぐに連絡をくれるように
必死に頭を下げた。


お金を渡したら
ものすごく怒られた。


「そんなことしなくても
連絡しますから!!
バカにしてるんですか?」


「そうじゃなくて……」
言い訳しながら舞いあがる。


「お嬢様、お金を渡せばなんていう
上から目線は、誇りを持って
働いてる人間には屈辱です。」


私は何度も謝った。


「ごめんなさい。
これからは気をつけます。
勉強になりました。」
必死に頭を下げた。




毎日、毎日
通うたびにじぃは元気を失くしていった。
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