最高級の召使
介護士からのメールや着信で
携帯は一杯だった。

私が旅行に出かけた日


『正之助さんの容体が急変しました』


『早く、来てください。
携帯見てるんですか?』


何度もメールがあった。


そして夕方


『亡くなりました。今、孫さんが来てます。
早く来て!!』


『時間がありません』


メールを読みながら
胸が一杯になった。



『引き取られていかれました。
お嬢さん、きっとこれは運命ですね。』


涙が溢れた。
一週間も遊んでいたばかりに
倉之介にも会えず


大事な家族だった
じぃにも会えなかった……


運命と自分に絶望した。


もうふたりには会えないんだ……って……
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