最高級の召使

「俺は覚えてるよ。
有栖川　楓
スゲー金持ちそうな名前だな。」



「ふつうのサラリーマンよ。」
自分の家を隠したかった。



「さっきの合コンはさ
なんか堅苦しかったよね。
みんなおぼっちゃんだからさ～
女の子もそう？
見せてるだけかな？」


「ま、みせてるだけかな。」


「そっか～やっぱ俺って見る目ある。
でもあの中で完全に
楓は浮いていたな。
俺はさ、あんまり好きじゃない。
そういう格好は。」


「余計なお世話です。」



「だいたいさ、
髪の毛さ、はげるよ？マジ！！
俺は皮膚科のインターンだから
なんかあったら相談にのるよ。」


マリといるときとは
別人のようだった。