最高級の召使
私にとっては
未知の世界だった・・・・


でも中野が

「楓・・・・」
と名前を何度も呼ぶから
「楓って呼んだら
中野は現実に戻っちゃうじゃん?」

と気になった。


「いいよ。俺は寂しくて誰かと
一緒にいたかっただけ。
楓がいてくれるなら俺は現実で充分満足。
俺は倉之助になってやるから
おまえは、現実から逃避しな。」



そう言って
私の目を閉じさせた。



そして長く優しいキスを体中に
這わせる・・・・


「きれいだよ、楓・・・」


「かわいいい、楓・・・」


キスってどこにされても
こんなに気持ちのいいものだって
知らなかったから
私はすぐにそのキスに夢中になる。


倉之助に抱かれてる


そう思うだけで私の体は
あの頃のように倉之助を求め出す。
中野の声が倉之助になる。


私は何度も
倉之助の名前を絶叫した。
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