最高級の召使
その日は私が思うより早く
やってきた。


両親が一人の男を連れてきた。



それが私の将来を握る男なことは
わかっていた。


神経質そうな顔で
私を上から下まで見た。



「近藤 弘明 くんだよ。
私の仲良くさせてもらってる
近藤グループの御曹司で・・・・」

と父が言いかけると


「近藤です。」
冷たい顔でそう言った。


「楓です。
はじめまして。」


私も負けずに冷たい顔で答える。


「年は35歳です。」


35・・・・・
倉之助と同じじゃん・・・・
あの時結ばれない年の差は
家のためなら
超えられる壁なのか・・・・


そう考えると


特に嫌いなタイプの男になった。
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