最高級の召使
父が、


「どうだい?彼。
まじめそうな男だろう?
楓にお似合いだろう?」


「おじさんじゃない。
やだ!あんなおじさん!!」


「年上は可愛がってくれるぞ。」
父は慌てて言った。



「どこが私にお似合いなの?
どんなところ?
性格?好きなもの?趣味?」


父と母が顔を見合わせた。



料理長がコーヒーを運んできた。



「おまえのようなわがままな娘には
ああいう大人がいいだろう?」


カチーン


「私の趣味だって、好きなものだって
悩みだって、本当の性格だって
パパとママに何がわかるの?
ずっとほったらかしにしてきて
私の好きなものが言える?
お似合いなんて言わないで。
どーせ家のためなんでしょ?
あっちの男だって迷惑でしょう?」


「楓、おまえは
倉之助がいなくなってから
本当にできの悪い娘になってしまったな。」


父が言った言葉に
私は完全にいってしまった。
< 271 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop