最高級の召使
命日だ・・・・・


去年も
その前も私は行かなかった。


倉之助の気配を探してしまうから
いないことを実感するのが
怖くて仕方がない。


だから全然違う日に
お参りに行った。


それなら花が飾ってなくても
当たり前だから
あきらめがつく。



でも今年は
じぃが呼んでいるような気がして
私は血色の悪い顔で
鏡の前に立った。


運転手に

「ここで待っててね。」と伝えて
久しぶりにじぃのお墓に向かった。


今日はお天気がいい
だから背筋が張る寒さだった。



今年は雪が少ない年だった。
お墓まで行く道は除雪がされている。


冬の命日の人がほかにいるのかな…
一日早い
じぃの命日・・・・・・




< 278 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop