最高級の召使
でもそこには
期待する人間は立ってなかった。



「倉之助は来てる?
会いたい・・・・・
死ぬ前にもう一回会いたいの。
幸せなのかな……
ローサの病気だって倉之助が
そばにいたら治るかもしれないし……
でもね…
じぃ…私は倉之助と一緒にいたかった。
召使じゃなくて…
一人の人間で男と女で……


生きていたら、結婚してる。
死んでいたらきっと幸せ。
来年はもうここには来れない予定。」


缶ビールのふたを開けて



「じぃ…乾杯!!」


と言って
一気に飲みほした。


食道が燃えた。



人生に絶望した私には
ここから逃げ出すことしか
もう考えられない。
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