最高級の召使
目が覚めたとき
白い天井が見えた。


ここは?


死の世界?



周りを確認した。
そこは病院だった。


メイドの顔が見えた時
私は生きていると確信した。


情けなさと安堵が入り混じった
なんだか複雑な気持ちだった。




「楓さま!!」


屋敷の従業員が勢ぞろいしていた。



「なんでこんなことを・・・」
料理長が泣いていた。


「年寄りの心臓をおかしく
するつもりですか!!」



「…ごめん…
やっぱり逃げられなかった…のね…
死にたかったのに……
こんな人生いやだったのに
死ねなかった…
死にたくなくなった……」


涙があふれ出す。
みんなの顔も涙で見えなくなった。
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