最高級の召使
肺炎をこじらせた。
食事もとってなかったから
一気に悪化した。

弱った体が悲鳴をあげる。


海で死ななくても
ここで死ねるのかも…
そう思うくらい
高熱にうなされていた。


両親が慌てて戻ってきた。

母は泣き続けていた
父は

「結婚そんなにいやだったのか?」

と聞いた。



「好きな人と・・・
未来を想像したかった・・・・」



そう必死に答えた。



「楓・・・・ごめんな・・・
これは有栖川家に生まれた宿命だ。
みんなそうしてきた。
そうやって泣いてきて
でも有栖川家が絶えなかったのは
みんなが抱えながら生きてきたから……」

父の言葉がしみた。
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