最高級の召使
「く…?倉之助?」


「楓さま・・・・
おひさしぶりです。」



「え・・・なに?
どうしたの?」



頭が真っ白になった。


「楓さまが会いたいって?」



「え・・・」



「料理長もメイドさんも運転手も
用意してくれて
帰りました。」



「話が見えないの…」



「今夜は、私と楓さまと
ふたりっきりです。」

涙があふれ出す。



「どうして?」



「私はあなたを遠くから見つめていました。」



「うそ・・・・」



「よかった・・・
あの海があなたを連れていかなくて・・・」



倉之助は私を抱きしめた。



「後悔しながら生きていくのは
もう・・・・耐えられない・・・・」




「倉之助・・・・・」



「ずっと抱きしめたかった。
細くなっていく肩を
今にも消えてしまいそうなあなたを
抱きしめて離したくなかった。」




会えた・・・・・
やっと会えた・・・・・・
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