最高級の召使
「私を見ててくれてたのね。」




「はい。
何度も何度も自分との戦いでした。
おそばにいたい。
いつもそう思っていました。
でも私の出現はまた
結ばれないつらさに
お互いが沈むから・・・・
そう思うとそれが地獄のような
気がして足がすくみました。」



私は倉之助の目じりを
指でなぞった。



「老けた?」



「ずっと想像していたの。
35歳の倉之助・・・・」



「どうですか?」



「とても素敵・・・
想像していたより百倍も
千倍も……」



目じりにキスをした。
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