最高級の召使
「私は、あなたを幸せにできます。
ご両親もこの有栖川家も・・・
忘れないでください。
あなたの心がけひとつに
かかってるってことで……」



井上が私を抱き寄せた。



私は井上の目をまっすぐに
見据えた。



「あなた冷たい色の目を
してるのね・・・・。」



「そうですか?」



「可哀そうな人なのね。」



「どうして?」



「自分でわかってるでしょう?
私は、あなたのものには
ならない。絶対にね。」



「さぁ…それはどうかな。
またお会いできる日を楽しみに
しています。」




私に背を向けて
井上は歩き出した。

怖い・・・・・・
これからどうなるんだろう。
< 347 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop