最高級の召使
料理長が心配そうに立っていた。


「パパ、おかしいよ。
お金、お金って。
私のこと売るんだよ……
どうしちゃったんだろう。
前のときもどこかの金持ち
連れてきたけど
あの時は、無理強いしなかったのに。」



「何か・・・
困ったことが起きたのでは?」



「損したって言ってた。
借金があるってあいつが言ってた。」




「楓さま・・・・」



「やっと倉之助と心が通じたのに。
パパとママに話そうって
決心したのに・・・・・
認めてもらえるようにって
倉之助頑張ってるのに・・・・・」



涙が溢れた。


「情けない・・・・
どうして生れてきたんだろう。
こんな人生なら
生れてこなきゃよかったのに。」


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