最高級の召使
「倉之助
何て言ってた?」


「思いがけず旦那様が戻ってきたって
お伝えしました。
あとで電話くださいとおっしゃってました。」



「どんな顔してた?」



「さびしそうでした。」



胸が押しつぶされそうだった。



きっと倉之助の心も私と同じ



不安で一杯なんだ。
黒い雲が二人の行き先を隠そうとしてる。




負けたくない・・・・
絶対に・・・・・・
そんなことくらいで・・・・・
いつも一緒にいるために戦うんだ。



井上がやってきた。


「どなたかお待ちだったんですか?」


「知ってたんですか?」



「あなたのことは
全部知っています。」



冷たく微笑んだ。
< 357 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop