最高級の召使
料理長がうれしそうに
倉之助に何か言った。


そしてキッチンに戻って行った。



「何?」


「料理長が喜んでいます。
楓さまが野菜を美味しそうに
召し上がる姿を初めて見たと。」


「だって絶対食べないもん。」


「料理は作ってる人
すべてに感謝しなければ
いけません。
野菜を育てる農家の人
市場で売る人
それを食材として選んで買いに行き
おいしい料理を
作ろうとしてくれる人。
そう考えたら
すべての食事に優しくなれます。」



「いちいちメンドクサイ」
わかったけど・・・・
ほんとは……


「料理長は
楓さまの食事を召し上がってる表情を
見ながらドキドキしているのです。
それはとても大変なことです。」

大げさに心臓を抑えた。
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