最高級の召使
「昨日はよく寝られましたか?」


「寝られるわけがない。」



「残念でしたね、
もう少しでうまく逃げられたのに・・・」



「運転手を使ったのね。」



「あ、佐藤くんね。
彼も生活かかってるからね。」



「可哀そうな佐藤さん。」


「だから金のない生活は人間を
だめにしてしまう。
あなたのご両親もそう……
借金で首がまわらなくなって
恐怖とストレスを感じた。
そして私に出会って・・・今に至る。
ご両親は私の財力の虜ですね。」


「つけこんだのは
あなたでしょう。」


「つけこむ?
救ってあげたんですよ・・・
僕が救わなければ
首を吊ったでしょう。」


ガーンと…頭が鳴った。


そんなに切羽詰まってたの?


「今はどんな神様より
私が神様でしょう、あの方たちには。」




だから井上にへこつくのも
無理ないのか・・・・・
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