最高級の召使
倉之助の背中を見ながら
走った。
今朝も海が真赤に染まっていた。


「今朝は間に合った。」
つぶやくように倉之助が言った。


「楓さま
砂浜に降りましょうか?」
そう言うと
倉之助は
ガードレールから砂浜に
ひょいと飛び降りた。


私は少し高くて
怖々とガードレールをまたいだ。

「一度座ってください。」

そして
倉之助が手を広げた。


「どうぞ……」


「え?・・・・・」



ヒョイ


と腰を持たれ砂浜に下ろされた。
恥ずかしくて
火が出そうだった。



ドキドキ……
ドキドキ……



波の音が大きくて
よかった。



じゃないと

心臓の音聞こえちゃいそう……


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