最高級の召使
兄貴とローサは恋人同士だった。
ローサは兄貴の大学の後輩
いつかなんで日本語がペラペラなんだ
って聞いたよね。


俺らの母親は日本人
ハーフだけどね。
父親は祖父に反抗して
外国に逃げた時
同じアパートに住む母と知り合って
けっこんして。
父は完全には、自分の父を捨てることが
できなかったから
いつか日本に帰ることを考えて
俺らは、日本語と英語を完璧にマスターした。
それからしょっちゅう
日本に滞在して
兄貴は留学もしてたんだ。
行ったり来たり 
日本の文化も学んでいたんだ。


兄貴は証券会社の社員でバリバリで
俺の自慢だった。
優等生でかっこよくて
優しくてそして生き方が
俺の憧れだった。


そして俺はローサに恋してた。
っていっても
俺はまだ小さくて初恋だけど
兄貴に頼みこんで
家庭教師をしてもらっていたんだ。
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