パールブルー
「お引きください」


家臣もニコリと微笑みを絶やさず箱を差し出す。


大きくため息をつき、箱に片手を入れ、適当に小さな袋を引き出す。

めんどくさそうに袋を広げると中には透き通るように美しく一瞬にして魅せられてしまうような宝石。



スカイストーン



空の色を十分に吸収し、七つの色がなんとも言えない神々しい光を発している。


「美しい…」


先ほどまで、無表情に近かった顔に笑みを表す。


「これは、何をしめす?」


石占いに興味を惹かれ、家臣に問うが、かえって来たのは、先ほどから絶やされない笑顔と不明な言葉。


「きっと、答えは見つかります」


これ以上、聞いても無駄だとわかり、うっとうしげに眉を潜め、宝石を家臣に手渡した。

この時、自分の運命が動き出したと知らずに…


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