パールブルー
先ほどまで何も無かったところに男の人が立っている。
灰色の長い髪に、透き通るようなアクアマリンの瞳。
水が滴る水色のシャツから見える白い肌は月に照らされなんともいえない色気を漂わせている。
「水野 青歌(ミズノ セイカ)さんですね?」
青歌は、驚きすぎて固った。
それもそのはず、いきなり水から現れただけでも驚きがかくせないのに、その相手は青歌の名前まで知っているのだ。
数分たち、まだまだ驚きは隠せないまま目の前の男に目を向ける。
ばっちりとアクアマリンの瞳と目があってしまい、青歌はまるで蛇に噛まれた蛙のようにまた動けなくなってしまった。