パールブルー


ああ、もう死ぬのだと覚悟を決めて目を閉じたが…肺におもいっきり酸素が入ってくる。


げほっ
はぁはぁ


「やっと息をしましたか」


男はやれやれといった表情で青歌を見る。



文句を言ってやろうかと思った時、金と銀色の光の筋が見えてきた。


「着きましたよ」


目の前に広がるなんとも言えない光景に青歌は口をポカンと開けることしか出来なかった。


海の中に、宮殿がある…


光が漏れている海底のヒビに入って行くと、そこには童謡の絵本に出てくるような立派な宮殿がそびえ建っている。


あまりにもあり得ない出来事が続いたため、そこで青歌の記憶はプツリと切れてしまった。

< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop