年下彼女のご機嫌いかが??
『レイナ!!レイナってば!!最後の日くらい一緒に帰ろう♪』



後ろから聞こえてきたのは、



息を切らして走ってきた沙希の声。



『あ、うん。ゴメンね。なんか悲しくなっちゃいそうだから、先に帰ろうと思ってさ…』



『それじゃあ、あたしが悲しいよ。レイナがいなくなるのだって、本当は超イヤだもん』



沙希は少しうつむきながら、ポツリとつぶやいた。



あたしだって同じ。



何かを得るには、何かを失わないと得られないのかな。



そういうの、よく分かんないけど。



沙希の存在はあたしにとって大切な友達。



それはこれからも変わらないけれど、



この学校を辞めたら距離が出来る。



考えたくないけど、それが目の前にある現実なんだ。



『ねぇ、レイナ?』



歩きながら、沙希があたしを見る。



『ん??』



あたしも横を歩く沙希に視線を移した。
< 288 / 448 >

この作品をシェア

pagetop