年下彼女のご機嫌いかが??
明るくなった部屋に目を細めるあたし。



目の前のエイトのあまりにも穏やかな表情に、



あたしの動揺も和らいでいく。



『俺、このままじゃダメだって思ってさ……それで少し時間が欲しかったんだ』



グレーのスエット姿のエイト。



シャワーでも浴びたのか、



いつの間にか伸びた髪から、



ひと粒、しずくが落ちた。



そのままあたしを見つめ話を続けるエイト。



『姉ちゃんはこれから子供を産むんだよな??学校まで辞めて、それを選んでさ、今までの自分じゃなく、頑張ろうとしてんじゃん??なのに、俺はまだ姉ちゃんが好きで、その俺の好きな姉ちゃんのままでいて欲しいって思っててさ……』



あたしはエイトの話を聞きながら、



エイトの言う「好き」の意味を考えていた。



なんとなく、ちゃんとその気持ちに、



向かい合ってあげないと前に進めないエイトがいる気がしたから。



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