年下彼女のご機嫌いかが??
深夜の静かな分娩室に明かりが灯る。



先生は手慣れた様子ではあるが何やら準備に忙しそうだ。



もう一人の助産婦さんがレイナに付き添い、内診を始めた。



分娩台は、決して広いとは言えない部屋の真ん中にある。



そこへ横たわるレイナ。



カチャ、カチャと金属音だけが響いて聞こえてくる。



先生は分娩台の横にいくつもの器具を並べ終えていた。



こんなにも緊張感のある空気を味わうのは久々だな。



俺も白衣を着てレイナのそばに駆け寄った。



『りゅうっ…すごく…痛いっ…』



俺は痛みの苦しみを全身で耐えるレイナの手を握る。



それを力強く握り返すレイナ。



頑張れ……もう少しだから。



そうだ……もう少し……。



俺はただそばにいて祈るようにレイナを見つめるだけ。



こんな事しか出来ねぇ俺だけど、



誰よりもお前を愛してる。



頑張れ……レイナ。
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