年下彼女のご機嫌いかが??
赤ちゃんのほっぺを何度も指でツンツンしながら、



『姉ちゃんにすげぇ似てんね』



エイトはそうつぶやくように言っていたかと思ったら、



今度は視線をあたしの左手に向けていた。



その固まる視線の奥の、



エイトの表情が少しだけ曇ったように見えた。



りゅうから昨日はめてもらったばかりの、



薬指にした指輪に気づいたんだ……と思った。



明らかにそれがなんとなく分かるけど、



お互いその事には触れなかった。



そして目が合ったエイトはまた笑顔に戻っていて、



あたしに向かって笑って言った。



『おめでとう……姉ちゃん……』



『ありがとっ…』



エイトのその言葉は、



出産に対して??



それともこの指輪の意味に対してなの??



どっちなのかな……って気になるあたしがいた。


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