宝石色の幻想


柏木の美乃に対する感情。彼なりの遺書の解読。それを明記するのは避けておきます。


今は、私は美乃のように死ぬことで幸せになるとは思っていません。死んでしまっては何も残りません。自殺行為で幸せになる人などいないでしょう。

でも前は、自殺によって彼に愛してもらえる、存在が永遠に残る、そんな風に思っていました。美乃は純粋にがむしゃらにそれを信じて決行しましたが、私はこうして生きています。尤も私と美乃は性格が少し違うので、そこが分岐点だとも感じますが…


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