空 猫-ソラネコ-

幸せそうに、シロは話してくれた。


「今が幸せだから、辛かったコトは、忘れられるの」

そう続けたシロの言葉が、ぼくの耳に響いた。


そして、今度はシロがぼくに質問をした。


「ソラはここに来る前、どこにいたの?」


今なら、答えられると思って、ぼくはシロに全部を話した。


産まれつき、青い毛色だったコト。
そのせいで、周りから嫌われてたコト。
お母さんと兄弟達に追い出されたコト。

本当にひとりぼっちになった時に、シロと出会ったコト。


シロは、黙ってぼくの話を聞いてくれた。




.
< 34 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop