純情ガール
feeling1
それは、ただの恋物語。
初恋だったわけでもない普通の出会いの普通の恋。
話しかける事さえ出来なくて。
メールを打つ手はいつも震えて。
姿を見るだけでドキドキして。
ドキドキしすぎてどうしたら良いか分からない。
初めて出会った、そんなただの恋物語。
それがこの物語。
「純情ガール」
「あー!和奏!!おはよ!」
「おはよう。」
「和奏テンションひくーい。」
「ごめん。眠いんだって。」
そう言って席に座り、朝からだらけながら携帯をいじる。
これが私の日課。
山野和奏。15歳、華の高校1年生。
周りとは若干温度差があるけどそれなりの学校生活を送っている。
クールでちょっと冷たい。
それが今のとこの私のイメージ。
本当は全く逆と言っても良いのだけど。
周りからハミられてもおかしくはないかもだけど何とか平和に過ごしてる。
席でだらけながら携帯をいじるのがいつもだけどそんな私も携帯から目をはなして、顔をあげる瞬間がある。
―カタン
そう音をたてて私の席からひとつ飛ばして前の席の椅子が動く。
今日もカッコいい。
宮島雅治
出席番号確か36番。
彼が私の好きな人。