あわい恋と約束
間違ってはいない
彼女は頭がよい、説明すれば
理解できるはず。
だけど、物理の素人に
説明するには難しい
面倒だから、彼女に合わした。
彼女も、私が説明するのが
面倒だと感じたのか
『ふーん』
これだけで、許してくれた。
「君は?」
『わたし、今、社長』
「社長?」
『うん』
「何の?」
『広告代理店』
『地方テレビ局やケーブルテレビ用のCMなんか造ってるの』
「へぇー、凄いっ」
彼女は私の言葉が
嬉しかったのか
満面の笑顔だ
右側にだけできるエクボが
私にはそう見える。