あわい恋と約束

ここのスパ ¥1500払えば、
浴衣が借りられた。


迂闊であった。


浴衣姿を見たかった。


彼女は人の心が分かるのか


『浴衣がよかった?』


「いや!」


『嘘、分かるわよ、だってさっきから
浴衣きた女の子が
通る度に見てるじゃない』


分かり易い男である。


彼女は、ちょっと怒ってる。

『それとね!
ワタシには見せない表情してるよ・・・

おばちゃんですよ、
ワタシはおばちゃん!

だって貴方と同い歳よっ』



何を言い出すんだ、そう思った。


そんなに私の表情は彼女が怒るほど、
分かり易かったんだろうか。





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