あわい恋と約束

私はまだ、彼女を見てる。


『恥ずかしい じゃない』
嫌がってる・・・?
いや!
少し、顔紅らめ、微笑んでいる。

彼女は左手を、隠そうとした。


私は見ていた。彼女の左手を
しっかり見ていた。


薬指に指輪も、指輪のあとも無かった

どの指にも、指輪は無かった。

付け爪も、していない。

綺麗に手入れされた
ナチュラルな爪


指輪をしていない事に、
触れない様に

「綺麗な爪だね」

『ありがとう』
彼女は両手をテーブルの上に出す。


細く長い指綺麗な指である。


私は彼女の手をとり
彼女の目を見

「綺麗だね」また、
綺麗だねと言った。

『ありがとう。』
『これでも、苦労したのよ』

彼女も私の目を見ていた



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