あわい恋と約束

聞いては、いけないと
思ってる私がいる。

だか、聞いてみろと
囁く、もう一人の私。


『踏み出せなかったのか
なかなか答えを出さないので、
嫌われたのか、解らない』

彼女は明るく笑って、そう言った。


私は
「そう」と だけ言った。

私はまだ、彼女の手を握っていた。


すると彼女が
私の手を見て

『あれっ、新田君も?』

そう私も一人、独身。

「独身だよ」


『なによ、騙された気分
ワタシだけ、こんな話しして』

騙しても、聞いた訳でもない。
自分から話したのに
私は悪くない。




< 24 / 202 >

この作品をシェア

pagetop