あわい恋と約束

彼女の ゛こらっ!゛で
思い出した。

彼女の母親は
中学に入る前に
亡くなっていた。

私は、その事を知っていた。

彼女に聞いて、知っていた。


また彼女は、私の母親と
仲が良かった。

男の子しかいなかった
私の母は、娘が欲しかったらしく

彼女を娘の様に思っていた。


なぜ、彼女が私の家に
何回も来たのか
私の母と仲が良かったのか

それは、母が着付け教室を開いていた。
つまり彼女は
母の生徒であった。

だけど、彼女と私の仲は
着付け教室にくる前からである。

しかし、それは中学3年の
1年間だけであった。


『お母様、元気?』

「言ったろ!しぶといって」


『こらっ!』



< 27 / 202 >

この作品をシェア

pagetop