あわい恋と約束
店からバス停まで5分
彼女は、また私の左に
そして腕を組む。
バス停までの間、会話はない。
バスは私達を待っているかの様に
すでに来ている。
バスに乗ると、他に乗客はいない。
私達は二人掛けの席に並んで座る。
座っても、彼女は腕を組むのを止めない。
発車まで3分
「お父さん元気?」
なぜか゛オヤジ ゛の事を聞いた。
『初めて電話して
来た時の事覚えてる?』
忘れるはずがない。
この33年間忘れていない。
この事を考えると、
今の子は恵まれている。
携帯があって恵まれている、と思う。
子供が携帯を持つ事はよくない。