あわい恋と約束
誰かが、右肩に触れた。
右を見るが、何も見えない。
左手を顔の前に持ってくるが、
20cm離すと、左手が見えない。
「誰だ!」
『新田君、ワタシよ、ワタシ』
「石元? 君か?石元か?」
声と肩に触れる感触はある。
右手を延ばし、辺りを探るが、
何も触れない。
どういう事なんだ。
『どうして、分からないのよ、バカッ』
明らかに、彼女の声なんだが?
「どこに、いるんだよ」
『ひどい、隣に要るのに、なによっ』
「まったく、見えないんだっ」
『嘘っ、肩に触れたの分かってるでしょ』
会話に成っている。