あわい恋と約束

これは!

夢だ! 実に理想的な夢。


『ねぇ、どうしたのよ』


「いや、ちょっと考え事していて」


『何考えてたの?』


霧が晴れていく。


微かに見えていた服装や身体つきが

ゆっくりだが、はっきりしてきた。


黄緑のタンクトップ。

ひょっとして!


「ちょっと、立ってくれる」


『なんで?』


「いいから、立ってみて」

『分かった!』

声の調子は、少し怒ってる。

彼女が立ち上がる姿が、はっきり見える。


彼女(夢のなかの彼女)を確認する。

私は科学者、隅から隅まで、
舐める様に確認する。




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