あわい恋と約束
古代ガラス展
『銀化する古代ガラス』
『銀化って?』
説明すると長いかも
「ガラスが土中に何百年か
置かれた場合に、
ガラス成分が化学変化し、
表面に何層も皮膜が形成され、
虹色に輝く現象」
『へぇ 滅多に見られないのね』
「そうだよ、ガラスが、
全部そうなる訳でもないからね」
『綺麗!こんなに変化するのね』
それは君だよ
声に出そうだった。
「アメジストや翡翠より、貴重だよ」
彼女は私を見
『そうね、欲しいなっ』
「無理、無理」
『分かってるわよ!』
私の胸を叩いた。
きつめに叩いた。
『ねぇ、もし買える値段だったら、
プレゼントしてくれる』