あわい恋と約束
彼女は足を止め
私の方を向き左手で
私の胸を軽く叩き
『なんでよ! 意地悪』
今度は私の左手を引っ張り、
連れて行こうとしている。
私はまた抵抗する
『もう!きてっ お願いっ』
彼女は微笑みながら、そういった。
頼まれたら、お願いされたら、
ついて行くしかない。
私も微笑み返した。
今度は私が彼女を引っ張る。
私は一瞬、彼女の顔を見た。
嬉しそうな笑顔になっている。
彼女は引っ張られて、
歩く事を楽しんでいる。
絶対そうである。
私の横に来ない。
私がした様に
いや、軽く抵抗する様に歩く。