戦場に、一輪の花が咲いた
初めて戦場に降り立った9歳の時ライルが戦場を見て思ったのは



−銃弾の雨が降っている。



怖い、嫌だ。そんな感情よりも先に、その思いが出て来た。



荒野を走る。



爆弾で燃え、瓦礫や爆弾で乱れた地面を蹴り



ライルはただ人を撃ちつづける。



拳銃で撃てなかった者は、軍人になって覚えたとは思えないほどの華麗な剣で薙ぎ倒す。



ライルは生暖かい液体を浴び、鉛の臭いに包まれる。



「チッ昨日降ろした靴だったのに汚れっちまった。」



ライルの青色の瞳は、鈍く暗く光を帯びた。
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