戦場に、一輪の花が咲いた
「ライル、帰ろう。」
何も無くなった、全てが灰になった土地に、佇むライル。
綺麗だ…。
ウェンディはライルの細く、まだ少年の面影のある背中を見て思った。
銃弾を掠り、破けた軍服。
スラリと伸びた手足に、残った爆風で靡く銀髪。
ライルは祈るように、戦場にぽつんと残る。
ライルとは『TOMORROW』創隊時代からの長い付き合いのウェンディ。
ライルが満足するまで、その背中を見つめるのには慣れた。
自分より2つ下の隊長。
時に不安定で、時に垣間見る少年の顔。
知っているから、辛い。