戦場に、一輪の花が咲いた
「マオ?」



ライルの少違和感のある動きにリリーは心配そうに首を傾ける。



「大丈夫。なんでもない。」



ライルは握っていた銃から手を離す。



…この女相手になら、丸腰でも勝てるだろう。



ライルはそう考え、だけど警戒心だけは解かなかった。



「マオは外の国を知っている?」



「…ああ、知ってるよ。」



嫌と言うほど知ってるさ。



なんせ、お前達が平和を壊し、潰しにかかっている国の人間なんだから。



そう言って、リリーの眉間に銃口を突き付けられたらどんなに楽だろうか。



ライルは奥歯をギリっと噛み締めた。
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