戦場に、一輪の花が咲いた

リリーは変わらず柔らかい瞳でライルを見つめている。



「リリー、お父さんが戦争に行ってたの。リリーと同世代の子に殺されちゃったんだってさ。」



リリーの言葉に、ライルの心臓がじくじくと痛む。



俺かもしれない。



いや、もちろん確証なんか全くないし、ウェンディかもしれないし、『TOMORROW』の誰かかもしれない。



だけど、何故か自分かもしれないと思えた。



「この国があまりにも平和過ぎて想像も出来なかったの。リリーと同世代の子が戦ってるなんて…。」



リリーは平和な世界しか見たことがない。



それ故に、父が殺された以上にそのことが衝撃的だったのだ。