戦場に、一輪の花が咲いた
父さんと母さん…
ライルの命と引き換えに。
ウェンディの心はぐらぐらと揺れていた。
意識が半分ほどぼーっとしたまま宿屋までたどり着いていた。
「ウェンディ?街の見物はどうだったか?」
「…ん?ああ。綺麗な街で賑やかで、信じられない。」
「俺も信じられないよ。」
ライルはリリーとの出会いで、少なからず心が和らいでいた。
それにたいし、ウェンディはもやもやと感情が渦巻く。
「さあ、夕刻には司令官との会食だ。着替えるぞ。」
さっさと歩くライルの後ろを、ウェンディは渋々ついて行った。