戦場に、一輪の花が咲いた
「俺は孤独さ。きっと、死ぬまでずっと。」



ライルの悲しみを帯びたその瞳をリリーは横から見つめる。



「マオ。それは違うよ。


君が生きている限り、君は孤独じゃないんだよ。


必ず、誰かがマオの傍で生きている。」



リリーの言葉は透明で、ライルの心を包み込む。



「ねえマオ、いつか、世界中が平和になったら一緒に旅しよう。」



「旅?」



「うん。オーロラも見たい。地平線も見たい。蜃気楼も。」



リリーが目を輝かせてライルに言った。



「…ああ、いつかな。」



ライルの返事にリリーは大きな瞳を輝かせた。
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