Pure LOVE
健二の優しさは分かっていた。

ふつう、彼女が幼なじみだからってほかの男と一緒にいるのはやだよね・・・
けど、健二は文句なんて言わなかった。

あたしのこと考えてくれて・・・

健二があたしに優しくするほど、あたしの胸は痛んだ。


健二のこと本当に好きか分かんないのに、一緒にいて、手をつないで・・・

あたしのことを思ってくれている健二のことを傷つけてるみたいで・・・裏切ってるみたいで・・・

健二のことで悩んでいると、お父さんのことも頭に浮かんできた。

悩むことが多すぎる・・・まだ、新学期始まったばかりなのに・・・

健二のメールを見ながらため息をついていると、メールが来た。

健からだった。

〈明日から、部活再会じゃん!ってことで、オレの練習につき合ってくれない??どうせ暇なんだろ?〉

健は、この最後の一言がなかったらいいのに・・・あたしはいつもも思う。
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