One Way Ticket 2
何だろう・・・


長く那智といるようになって

少しずつ
感じるようになってきた


この


距離感




私が入ろうとしても


入れない



那智の中



那智は極端に人に心を見せるのを拒否する



でも



心のどこかで


私だけは「特別」


私だけには那智は心を開いてくれる


なんて
ずっと思っていた



でも


この距離感だけはどうしても
消えてくれなくて


「お前に関係ないだろ。」


聞くのが怖くて
無いも言えない

こんな風に
那智と私の間には見えない
ガラスの壁があるみたい


私はそんな那智を見てみぬ振りして
煮え立つ鍋に意識を集中させた
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